本日終了(2025年9月28日)の米沢で開催されたミナミハラアートウォークにS&T(ギャラリスト上村氏の主催するギャラリー)を通じて出品させていただいた立体作品「日常的な生活、夕顔」。
ミナミハラアートウォークにご来場いただいた方は、一足先にご覧いただいているものですが、土台の部分も含めて杉の廃材で削り出し、オニグルミのインクで着彩し、ワトコオイルをコートしたものです。防腐剤などは使っていないので、ゆっくりですが少しずつ経年変化が想定されています。
山中の村で制作作業をしていると村の近所の人が農作物を持ってきてくれます。自分の作業しているものよりも余程美しいなと思えたりするところがあって、そのままその美しいところをしばらくの間、定着させたいと思うと、それまでの作業を止めて、農作物の美しいと思ったところを削り出していきます。
どの農作物の削り出しも実寸大ですが、良いなと思えたところを捉えられた時点で作業を止めるので、完全にリアルなものとして再現するわけではありません。着色も含めて捉えた時点で蜜蝋かワトコオイルを塗り完成させる、と言った具合です。
農作物も少しずつ乾燥したり変化していくのでナルハヤで作業します。
山地の雪が溶けてようやく村人が思い思いの作付けが出来る様になり収穫出来る時期は夏の一時期で、そのあと秋口には大根、はくさいぐらいの収穫になり、冬支度になるので、ある種の収穫と生の喜びに近いものが農作物に宿っているように思えたりするところが、美しいな、というところなのかもしれません。 夕顔は一般的なスーパーなどでは見かけません。
実際、大きくてわざわざ購入して持っていくのも、調理の汎用性を考えても、ちょっと躊躇します。が、その大きさや重みに気持ちが上がります。持ってきてくれた人も嬉しそうに面白そうに持ってきて、大きさや重さを話題にして、話がはずむところを同じ様にこの制作物から感じてもらえればと思ったりしたのでした。