2014年9月27日土曜日

益子町土祭(ひじさい) 前土祭(まえひじさい)土祭広場形成

2014年9月5日、益子町に前日夜に前乗りして、朝から10月4日に行なわれる「前土祭(まえひじさい)」の中心会場となる土祭広場(ひじさいひろば)形成作業に参加しました。

計画時に私が提案させて頂いた近自然的な工法と材料の扱いを、町民の方々と実際に現場で共同作業して試しながら、作り方や場のあり方等意見を交わしつつ、徐々に地域のための場がつくられていくプロセスを目指した最初の作業です。
9月5日から7日の3日間、東北芸術工科大学の学生有志と私、助手の渋谷が合宿を行ないながら、地域の方々、役場の方々と作業を行ったのでした。

現場は既に担当の萩原さんの手はずで、間伐した木材(スギ丸太、枝)や近くの建設残土で奇麗なものを中心に、その他町の造園屋さんから頂いたもの、大工さんから借りたもの等を中心に資材を広場に集めて頂いていて、幾つか麻袋など購入したものもあるものの、益子町由来の資材が揃えられていました。

地元の自然資材を使って丸太杭、粗朶柵と盛り土によって、広場のかたちを作っていこうと言う企画です。

作業前の土祭広場

地域から調達した資材

麻袋で土塁の基礎となる土嚢をつくる

地元の方々も集まり、作業開始の朝礼です



「タコ」をつくる



私のこれまでの経験を少々レクチャーさせて頂きながら、地域の方々と東北芸術工科大学の学生有志が恊働して作業に取り組ませていただきました。現場で土塁の基礎を作るための土を突き固める「タコ」という道具もつくりました。

最初の作業は、集めて来た資材を材料として使えるように奇麗に分解する作業です。葉、小枝、中枝、大枝、幹に分解する作業。そして、基礎をつくるための穴掘り。

穴掘りは地面が固く石も多く含まれていたので、手掘りは困難と断念し、ミニユンボを使って掘削する事になりました。そして出て来た土や石を、やはり大石、中石、小石、砂利、土に分類して資材として使えるようにしながら、作業を行っていました。
粗朶柵の下に雨水の経路をつくってそこに石を敷き詰めました。

地元の扱いの上手な方がユンボで穴掘りをおこなう

皆で枝を分解していく、作業人数がいるので思いのほか作業ははかどった

丸太は皮をむいた方がもちが良いと言う事で、皮むきをすることになった
地元の上手に皮むきをされる方が指導して、学生が挑戦。徐々に上手くなっ
て皮むき名人に。色々学生も経験させてもらいました


概ね材料が出来て来たところで、杭入れをして、粗朶を編んでいきました。今回の学生参加は2年生、3年生、4年生で既に、施工演習で粗朶編みを経験しているので、概ねの要領はわかっています。ですが、出来るだけ奇麗に地元の方々と協働してやらなければなりません。コミュニケーションを取りながら、うまく出来たでしょうか。

近くで枝打ちしていたので頂いて来た


杭入れ開始、突き固めながらしっかりと入れていく

地元の方々と共同作業

休み時間にスタッフの方がつくったブルーベリーのシロップでかき氷
暑かったのでかき氷はとても好評。シロップも手作りでとても美味しかった

お昼は近くの地区公民館で地元の方々が用意してくださった

初日は杭入れまでで終了
宿泊は中央公民館の展示室。夕食は役場のスタッフの方が
つくってくれました。注いでいるのは「ブラ汁」じゃなく
て、「ビルマ汁」というものだそうで、初めて食べました
展示室で休むのは滅多にない不思議な体験でありました



2日目からは粗朶を編んでいきました
慎重に力の加減を考えて共同して入れていきます

地元の子供達が重機を動かして作業を手伝ってくれます
嘘です!でも、作業に興味をもって参加してくれました

休み時間に出来上がりつつある粗朶柵の丸太の上でアイスを食べてます

粗朶柵は2種類試しにつくってみました


土塁も試しに一部つくってみました。地元の造園屋さんが応援に駆けつけてくれました
最後にムシロをかけて終了。様子を見てこれで良いとなったら、皆でさらに延長していきます

3日目は大塚町長も作業に参加して、最後の仕上がりを確認
今後、もっと地元の方々の参加出来る企画や場づくりになっていくこと、
そして地元の人たちにとって意味のあるものとなっていく事を願って作業を終了しました





10月4日が楽しみです。(田賀記)


※ 今回は「である」調ではなく、「ですます」調で試しに記述してみました。