2011年5月9日月曜日

福島第一原発事故放射能汚染積算値範囲図とチェルノブイリとの比較

5月6日、菅直人内閣総理大臣の浜岡原発停止要請の合間を縫って、文部科学省から航空機によるモニタリング結果が公表された。


上記のアドレスで確認、PDFファイルを入手することが出来る。このデータを元にチェルノブイリの汚染区域と比較するとかなりの広域において、移住の必要性が出てくることになる。すでに3月28日に、京都大学原子炉実験所の今中哲二助教によって測定確認された結果から、同助教によって避難の必要性が指摘されていたが(京都新聞2011.03.28)、実際の政府サイドの測量によっても今中助教の指摘がチェルノブイリ原発事故と比較して、避難の必要性が広域に渡るということが実証される結果となった。

この事実を圧して、日本人はチェルノブイリの人々と比べて放射能に耐性があるとでもいうのだろうか、特にこれらのモニタリング結果を受けての動きは見られない。直ちに健康被害は無いにしても、5年、10年、20年の時間経過の中で、癌の発生率の増加、免疫力の低下、脳の萎縮などの発現他、先天的な疾患の発現の可能性が高くなっていくことは否めない。

チェルノブイリの汚染区域のまだら模様や広域に渡る予想出来ない場所での高濃度の汚染が予測されるので、僕の仕事においても、特に周辺山林へ出掛ける時には放射線モニタリングが出来るように測定器の必要性、内部被曝を軽減するように山林に入る時にはマスクの着用などの対策を必要とすることになりそうだ。これまで、山林に入ると土の香りを感じ、デスクワークの閉塞的な環境から開放された気分になったが、これからは、自然の山林に入ることが何処か危険と隣り合わせといった気分で入らなくてはならなくなった。将に「風の谷のナウシカ」の腐海の世界だ。フィクションではなくなってしまったが、かといってナウシカが現れることもないだろう。

文科省公開の資料を元に、Wikipediaのチェルノブイリの図と比較してみた。



線量の範囲設定が異なるために一概には言えないが、福島のスカイブルーのゾーンとチェルノブイリのオレンジ色のゾーンが大体近いゾーンといえる。80キロ圏内のモニタリングだけが公開されているので、それ以外の地域については不明である。しかしながら、チェルノブイリの図をみれば、今後、80キロ圏外、福島県外のモニタリングの必要性があると思う。

正直、文部科学省は現状維持によって、汚染地域に人々を留め、中長期の国民の保健を顧みないという選択をしているように思える。これでよいのか?

国民それぞれの判断しか、自分を守る術はなくなっている。

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