2015年8月7日金曜日

箱根の現在進行中の現場記録 2015.08.04

2015年8月4日、箱根仙石原
箱根の仙石原温泉荘は、いつになく閑静である。
大涌谷の小規模噴火のお陰で取泉口というのか、温泉の取り出し口が壊れてしまって、温泉荘一体(温泉供給公社の供給しているお湯を使っているところ)は皆、温泉が出なくなってしまい開店休業。一般入場できるのはグリーンプラザぐらい。他の施設は皆、窓を開け、戸を開けて、施設に湿気がたまらないようにするといった開店で、営業はしていない。箱根は本当に空気中の水分量が多く、いわゆる多湿な気候環境で施設を締め切っておくことができないのであります。人の出入りがなければすぐにカビが生えてくる、そんな環境なのです。

DNP近くの現在進行中の箱根現場へ向かう。その道中は、日頃の混雑がほとんどなく快適でした。建築がだいぶ立ち上がってきたので、足場や建築本体の屋根などに既存樹木がどの程度被っているかをチェックしに伺ったのでした。

自然の落葉広葉樹林をできるだけ残すという考えで、建築設計者である津野氏、施工業者によく配慮していただいて建築施工を進めていただいているこの現場は、施工ぎりぎりの段階まで、樹木を保全してもらいながら、どうしてもここはというところを協議して枝を打ったり、伐採したりという、丁寧な仕事の仕方をしています。

こんな仕事の仕方ができるのは、工期も含めてお施主さんからの理解のおかげでもあります。樹木の寄った状態での現場の風景はなかなか他では見られない。




15メートルクラスの木々が中庭に残される、中庭といって
外部と遮断されることなく、水も空気も中庭を通り抜け、
木々の環境が急激に変化しないように配慮している。

図のように建築のために伐採した時にどの程度樹冠が開放される
のかを実際に樹冠を実測して確かめる作業を行う。(太い赤線の
内側が伐採によって開放される部分。実測して図化して示し、
の度合いを検討している。実際には、もう少し伐採をして、
に樹冠を開放することになった。)            






建築際の樹木。根の張り具合を確かめて出来るだけ生かすようにして
いる。この場合は、根が傾斜上方に向かって樹木全体を引っ張るよう
に根が生えている。樹種がオオモミジなので粘りもある樹木と考えこ
んな近くでも、出来るだけ残すということで工事が進められている。


これは建築の壁の一部、叩き仕上げでなかなかの存在感で
自然の表情とバランスが良さそうだ。


建築工事の前段階で、準備工と称して、現場で枝葉や幹、石材を採取しており、現場の空いているところに積み上げられている。この自然素材の並びと仮設足場との風景もとても独特な印象であります。外構工事は来年本格工事になりますが、少しずつ整備の準備を進めていくのでありました。

粗朶利用のための細枝

基礎工事から産出された石、石積みに適し
た手頃な石を仕分けして集積しています

薪棚もつくっています