2011年4月9日土曜日

正しい理解のための情報を(原発は人災、予想はしていたが実に残念な社会状況)

太平洋戦争、戦前の時代から実際の経済性や社会性から乖離して、軍部官僚をはじめとして多くの国民が先導され、これに疑義のある者は他の国民からも「非国民」といわれ、戦争へと突き進んだという。そんなのは過去の時代の過ちで、今の時代はもう少しはマシな社会になっていると思いたかったが、どうもそれは違ったようだ。

そして、自分の周囲の知人達のうちでも、日頃リテラシーを持っていると自認しているふうな人達の多くは、全くマスコミ情報以上の事実確認の努力をしないまま、原発の事故状況を受入れている。彼らに問えば、多分「事実認識はある。ただじたばたしても仕方がない。状況を受入れて、普段通り過ごすだけだ。」とでも言い、ちょっとした運命論者になってくれるだろう。そういう人達は仮にこの世が終わっても多分気が付くことのない鈍感な人生観の中に佇むしかない。彼らは多分自分たちのことを繊細だと思っているに違いない。申し訳ないがそう皮肉りたくなる。

発災後、一端飛騨へ東京から退いたとき、ある知人から電話で「東京はいたって普通に動いているよ。」と私のことを理解しようとするよりも、むしろ諌めるような言い方をされたことに私は実にがっかりさせられた。既に、私は被災地、被災者に対して実体的行動を起こしていたし、諌められるような言われはないと思ったが、どんなに親しい人だったとしても、社会と比較して目の前の人を評価する人は、そういった時にはもうこちらを色眼鏡でしか見ていないし、逆に私自身も相手を「生身の人間を信じられない人」ではないか?と疑心暗鬼になってしまうのである。

しかし、逆に直感的に何か出来ないか?と問いかけてくる人達もまずまずいるものである。良かった。事故後、私は一端東京から飛騨へ退き、すぐさま飛騨で廣瀬氏と被災者支援プログラムの作成と、実際の被災地現場での活動を現在実行しはじめている。

もし私のこんな実感に理解してくれる人がいたならば、是非とも、少なくとも自分が普段から信じたいと思っている相手がいるのなら、茫洋とした社会の色眼鏡を通さずに、その相手(人)の、今、実感している深層の心情を理解するように努めて欲しいとおもう。


さて、多くのマスコミでは「デマを信じないで」等と言った広告が飛び交っているが、マスコミは「安心」を求めているのに「安全」という。「本当に安全?」と聞くと「ちょっと危険かもしれない」という。「どういうことが危険なの?」と聞くと「ただちに危険はない」という。そして「じゃあ、今は安心なんだね?」と聞くと「今は安全だ」という。こうしたループが延々と続いている。全く誠実なものの言い方ではないと思う。だから主要なマスコミは信用してはいけないと思う。多様なメディアが存在するこの時代、ビジョンがない、またはビジョンに一貫性のないメディアは、デマや、ごまかしや、まやかしに染まりやすい。その点で善くも悪くも「テレビの主要マスメディア-マスコミ」と「2チャンネル」とは同じようなものである。

しかし、原子力発電所事故に関して、このような社会の重大な局面を迎え、マスコミが、増々、経産省(保安院を含む)、東電の迷走を覆い隠す機能を果たし、今後の適切な損害賠償、補償責任を曖昧にする不適切な報道が流されているのは問題であるとおもう(まぁ、普段は民放にとっては東電はクライアントだから仕方がないと言えば、仕方がない)。出てくるのは原発推進者達ばかりであるのだから、事態の様子を過小評価するのは当然である。しかし彼らは専門家であると同時に、ある意味賠償責任に関わる人達であるのだから、じつにマスコミとは思慮が無く(クライアントには思慮があるのかな)、真の報道をおこなっていないように思える。まぁ、「2チャンネル」だと思えば、苦言を述べることもできないし、シャレだと思って流すしかないのだが....。


それにしても、過去にさかのぼった原発の事故をはじめ、電力会社や保安院、原子力委員会、原子力安全委員会の対応のいい加減さは様々なところで語られているが、今回の事故を経験して、なにやら謝罪したらしいが、これまでの委員会の内容を知ると、本来は謝罪だけでは済まないし、これから真相をもう一度問いただしていかなければならない。報道で語られた謝罪の内容からすると、元原子力安全委員会の専門家は当事者意識が欠けていて、その点の反省がないように思う。
しかしながら、こうした原子力関係者の重責とは別に、我々国民にもこれまでの原子力開発を容認し、安全確保に愚鈍できた責任も免れないだろう。そのことを、我々も当事者意識を持って受け止めていかなければならない。


とは言っていても、マスメディアや既成秩序に頼りたい人や集団が、社会のために状況を自ら改善するといった理想的な展開は、多分望めないだろう、そこで、多少なりともここでは、気が付こうとする人々に対して、まともな情報を伝えることができたらと考え、以下に私が有効だと思えた情報を掲載することにした。

特に今現在(平成23年4月7日)時点で、福島第一原発事故における対処的措置はとられているものの、政府、官庁を通じて全くビジョンが示されていない。このため、原発事故に関わる避難者にとっても、今後の社会経済を考えれば多くの国民にとっても、原発事故収拾の先見、見通しの判断材料が足りていない。これに答えるひとつの見解が、日本記者クラブ主催の会見で環境エネルギー政策研究所・飯田哲也氏によって提言されている。これはyoutube動画として日本記者クラブから公表されているが、これを全てテキスト化して多くの人に今後の判断材料にしてもらえるものとし、以下に添付するので参照頂きたい。そのなかで、特に原子炉の現状の実質的な復旧の時間スケールを再確認頂ければと思う。

また、現時点で未だ柏崎刈羽では新規の原発事業を進めている。従って、この期に及んでも規制秩序の問題点が是正されることの無いまま、社会衰退の一途をたどることになるかもしれない。しかしそれでも尚、今後の日本社会の枠組と方向性を一人一人が、また一人でも多く見いだす勇気をもって頂くことを懇願したい。

以下、「3.11大震災/福島第一原発/二度と悲劇を繰り返さないために」
(尚、当日行われた記者会見で配布された資料は環境エネルギー政策研究所のHPに掲載されているのでそこから資料を取得してください。資料1「「3.11後のエネルギー戦略ペーパー」No.1」、資料2「「3.11後のエネルギー戦略ペーパー」No.2」PDF)




「3.11大震災/福島第一原発/二度と悲劇を繰り返さないための6つの戦略」



環境エネルギー政策研究所 所長飯田哲也氏 日本記者クラブ会見

司会:日本記者クラブ企画委員 瀬川至朗 (※文中図表は配布された資料より転載)
2011.04.05日本記者クラブ会見映像(http://www.youtube.com/user/jnpc#p/u/3/e8Oefssx0_4
会見配布資料1(左のアドレスをコピーして検索http://www.isep.or.jp/images/press/ISEP_Strategy110404.pdf
会見配布資料2(左のアドレスをコピーして検索http://www.isep.or.jp/images/press/ISEP_StrategyNo2.pdf

(※文中図表は、作図作表は環境エネルギー政策研究所のもので、配布された資料から転載した)

環境政策エネルギー研究所の所長の飯田です。原子力の経験があるとは言っても、原子力の仕事をしていたのは二十年前ですし、原子炉本体というよりは放射線廃棄物をやっていたので、今ネットメディアによくでておられる後藤さん(東芝・原子炉格納容器設計者)のように原子炉本体ではないので、そこは大まかにしか….元々の大学の知識ぐらいでしか分からないのですが…..ただ….たまたま偶然、あそこの福島第一原発に使用済燃料の中間貯蔵施設というまぁ乾式貯蔵ですね….あれは私が電中研(財団法人電力中央研究所)にいた時に規則づくりに関わって、その後神戸製鋼に戻って設計安全許認可をたまたまやって、あれは水が無くても安全なので、今でも安全で偶然ながらですね…..、なので若干、福島第一原発には縁があるということです。
で、ちょっと…….ちょっとスライドの調子が悪いみたいなので、手元資料(会見配布資料2「3.11後のエネルギー戦略ペーパーNo.2)でやるようにします。ほとんどはお手元の図のものしか用意していないのであのイントロダクションとして今の事故(2011.3.11福島第一原発事故)をどう見ているか….だけ追加しようかと思ったのですが….それはちょっと口頭で………..

<今起きている事故について>
で、前置きはそのくらいにして、今起きている事故は、もう間違いなく世界史に残る最悪事故のひとつであるということはもう共通認識だと言うふうに思います。で、あのフランスとか、あと幾つかのところから、オーストリアだったかな….もうすでに放出された放射能がチェルノブイリの数十パーセント….10パーセントから50パーセントという評価も出ていますし、スティーブン・チュー(Steven Chu、米国エネルギー省長官)がニューヨークタイムスに語ったところによると….中では間違いなくメルトダウンが起きていると……..それを日本では全くやっていませんが、あのぉ……アメリカとか幾つかの国はそのぉ….そのメルトダウンの様子をシュミレーションするコード….セーフティーコードというふうに書いていましたが…….をもっていて、で出てくる核種(原子核の種類)とかですね….そういったところからすでにメルトダウンは間違いないということも….….あのぉ…..ま、確からしいことでしょうし、それからあのぉ….格納容器と圧力容器がおそらく1、2、3号機すべてで破損しているだろうということも、相当確からしい…..で、この辺りはまた京大の小出さん(京都大学原子炉実験所助教、原子力工学専門)とか、後藤さん(東芝・元原子力容器設計者、格納容器専門)とか、そういった方々がより詳しく解説されているので、まぁ、私の本題はその後、なんですが…..….現時点で….今、ま、これまでとってきた内容というのが、常に後手後手で、その場しのぎで、そして、そのぉそこで新たな事象というのがより深刻な状態となって、それをまた泥縄的に対応してくるということが、これまで繰り返されてきているように….まぁ….見受けられるんですね。で、これはこれで私自身が実は名付け親なんですが…..「原子力村」という…..朝日の「論座」という1997年の2月号に….多分、活字になったのが初めてで暴走する原子力村の人々、と書いたのがあるんですが…..まぁ、まさに無策無能無責任というのを三つで言えると思うのですが、そういう体制と…..その官邸主導と完全に当事者意識と当事者能力のない保安院、そしてまぁ、これも東電官僚というかですね….後手後手にまわっている東電、この三つの言わばリーダーシップの混乱が、今の現状まで悪化させてきているんだろうというふうに思います。で、現時点で….あの….まぁ、水の汚染水の処理が最大の課題になっていますが、あれが仮に処理出来たとしてタンカーに移すとか、色んなアイディアも出てきはじめていますが…..その後、通電して、通電したとしても….いわゆる放射能レベルが中の核生成物が相当程度に出ている状況において….このぉ….閉じ込めをですねえ、一次冷却水の閉じ込めを復旧するような溶接とかですねま、そもそもポンプが動かなければポンプのリプレス(破損したものを置換える、交換)もしなければいけないとなると….今、いわゆる水で冷却した閉じ込め機能に戻していくのは、早い段階で諦めた方が良いのではないか、と思っていますま、ここはDOE(米国エネルギー省)とかNRC(米国原子力規制委員会)も入って専門チームに徐々になりつつあるので、またそちらの方でもっと検討は進んでいるというふうに推測はしますけれども…….で、このまま続けると兎に角、この放水と汚染水の処理を、放水をしながら注水をしながらの汚染水の処理をやたら悪戯に時間をかけていくということで….短期的にはこれはもう避けられないことではあるんですが….それを優先してやっていくと、いわゆる作業員の被曝総量、個人においても集団においてもですね、これはもう悪戯に増やしてしまうだけですので….….今日、プレスリリースで発表した出口戦略側の方に早急に移らないといけないだろう、ということですね。で、え…..ま、ここで提案していることを、実は全部説明していると時間が足りないので、ですが、大きく今日提言したのは6つのポイントで….

<出口戦略ポイント>
1.原発震災の出口戦略
いわゆる出口戦略を早く固める、とまず、その細野さんでしたか….細野さんが、首相補佐官が、数ヶ月かかると言ったことに、また与党からも野党からも噛み付きがあったんですが、なんかそんな言葉遊びの噛み付きをしてどうするんだ、というふうに私は思うんですね…..

数ヶ月で治まれば私は楽観的だと思うんですが….あの…..数年単位で私はかかるのではないかと思います….この事態はですねこの事実認識をまず政治家はまともに持って欲しいと、そんな言葉遊びの喧嘩をするなと….私は言いたい。で、数年で事態が….いわゆる放射能垂れ流しという状態が治まったとして、その後ですね、いわゆる高レベル廃棄物処分だけでも千年単位の人工管理が必要だということを考えるとですね、その後の管理に数百年単位かかる….もうそういう事態になっているという認識に立つべきだというふうに思います。

で、その認識に立った上での我々のまぁ今日、報告した提案ですけれども、えまずはあのぉ….原発震災管理官を置くべきだというふうに思います。で、今の体制はあまりにもリーダーシップが混乱していて官邸がすべてを仕切ろうとすると、これはあたかも大本営参謀が日本海海戦の戦いの指揮を執っているような状況なので、まぁ….あの日露戦争に例えるとですね、ま、そういう人がいればということなんですが、東郷平八郎を指名しないことにはですね事態は治まらないと言うふうに私は思っています。で、その人の下にいわば全ての協力体制を整えて、いわゆる兎に角、現場の封じ込めに対する、あのぉ….指揮を執らせると….というかたちをとらないと、まぁ無理だろうと….

で、方向性としてはもうチェルノブイリ型の石棺にシフトすべきかと思いますが、当然のことながらコンクリートで固めると、まだ崩壊熱はこの先数年間もですね…...数年間というか、実はもっと長い、長々期、崩壊熱というのは出てしまうのですがその崩壊熱を管理しながら閉じ込める、それを水ではない方法というものをですね….それにたどり着かなければならない….これは相当に困難な仕事です。で、しかしそれをやっていかなきゃいけない、というふうに思います。

ま、それと同時に放射能のモニタリングがあまりにもバラバラでいい加減なので、もう早期にいわゆる大気空気中、そして土壌の表面のホールアウト、そして地下水、食物、海洋、これを徹底的に網羅的にリアルタイムでモニタリング出来る体制を整えるべきだというふうに思います。そうしないと、放射能汚染をこの先何年も続く…….。ということを想定をしたですね恒久的なモニタリング体制を整える。で、そのそれを早急にやりつつも今の避難区域の設定と避難民のフォローアップこれについては、いまのような同心円で何キロとかそういう話ではなくて….すでに実測値も相当出ていますし、予測もかなり角度の高い予測が可能ですから、この実測と予測に基づいた避難区域を直ちに再設定すると、いうことも必要だろうというふうに思います。ま、その他、色々書いていますが….あ、ポイントはあと、恒久的な事故処理機関を早急に確立する必要があります。この仕事は閉じ込めだけでもおそらく数年、え…..その後、管理を考えると百年単位の仕事ですから、新しい事故処理機関を立てて、ま、その長が原発震災管理官という全権を掌握した人になるべきですが、で、これはですね、日本原子力開発機構、これをそのまま改組して、で約二千億円の予算を持っていますから、「もんじゅ」とかほとんど役にも立たない研究開発は直ちにやめて、その予算をほぼ全てそちらに振り向けるべきだというふうに思っています。で、え産業への影響も、まぁ評価する必要がありますが、で、もうひとつポイントは今回とてつもない賠償金が出てきますので、東京電力が全ての賠償責任を負うことは大前提ですが、それでも尚足りない可能性が極めて高いので、これは国がカバーするしかないのですが、その時に原発埋蔵金を活用するべきだと、これは再処理等積立金というので約三兆円、それ以外にも五千億円ぐらい、それぐらいというか、今後毎年五千億円ぐらい積み上がってきますので、まずはこれをあげていくと、ま、その他、原発関連機関のですね….ほとんど不要不急な関連団体が、特殊法人、社団法人等等が財団法人がありますので、そういったところをもう一度、もっと徹底的な事業仕分けをして、そちらに充てていくと….少なくとも、この再処理等積立金だけでも三兆円あるということです。

2.原発震災の教訓化戦略
で、え….第二点目としては原発震災の教訓をしっかりと洗い直すと、これは将に事故調査委員会ですね。これは枝野官房長官もすでに言及されていますが、利害関係者つまり、原子力安全保安院と原子力安全委員会もこれは….…..調査をする側ではなくて、言わば被告の立場になりますので、そういった利害関係者から独立をした事故調査委員会を立てて、で、さらには、原子力政策、エネルギー政策にも遡った事故調査委員会をやるべきだというふうに思います。それを前提として原子力行政を刷新をするということを提言しております。

3.原子力安全行政の刷新戦略
で、今回の事故は、我々の認識はきっかけは天災だけれども、事故そのものは人災だと、え….今回のような事象というのはこれまでも、神戸大学の石橋名誉教授(石橋克彦、神戸大学都市安全研究センター教授、専門は地震テクトニクス)を始めとしてですね、え…..共産党吉井議員(※注1)であるとか、あるいはパブリックコメントあるとか、地元の脱原発派議員であるとか、もうほとんど今回の事故を予言したかのようなものは、既に指摘されている訳ですね。で、そういったものを全く無視をして、しかも四年前に柏崎刈羽(東京電力柏崎刈羽原子力発電所、新潟県柏崎市、2007.7.16新潟県中越沖地震で被災した)で地震の直撃を受けながらもですね、ほとんどそれを一顧だにせず、えやってきた、ま、言わば原子力政策の今の行政体制の問題がある。で、まずは….まずすべきことは、え….一番上に書いてありますが、浜岡原発(中部電力浜岡原子力発電所、静岡県御前崎市、2009.8.11駿河湾沖を震源とする地震により緊急停止した)に代表される今回と同じような地震リスクに曝されているものに対する停止命令を直ちに出すべきだと、これは国が….これは中部電力の責任というよりも、中部電力が自発的に止めるというよりは国が停止命令を出すべきだというふうに思っております。で、二つ目は、そのぉ….今の原子力安全保安院あるいは原子力安全委員会、えこれは単に片方をハサミで切って、もう一個にくっつけて、え….推進と、え規制が同じとアクセルとブレーキが一緒だから片方のブレーキを切り取って、片方にくっつける、って話ではなくて、え….これまでの言わば「原子力村」という体制がですね、これまでの事故処理の経過をみても、皆さん、あのぉ明らかなようにほとんど、え実効性が無い訳ですね。事故の予防に関しても全く実効性がなく、事故が起きてからの対処に至っても、全く実効性がないと言うことで、え….例えばアメリカのNRCですねぇ原子力規制委員会ですね、こちらは大統領の権限すら及ばない独立性を持って…..例えば80キロの退避というとアメリカ大使館も米軍ですら従わなければいけないと……それだけの独立性の高い規制機関を、え….しかも独立して、安全解析が出来る体制ですね、というのは私も部分的に経験がありますが、え日本の原子力安全規制の安全評価の体制というのはほとんど、なんというかですね….絵空事のような字面合わせでしか無くて、原子炉で言うと東芝、日立と三菱の御三家が基本的には文書を全て作成をして、それに「○○電力会社」という表紙を、えつけてですね、で、それをまぁ、経産省の当時の原子力安全科だったかな….の役人の人が言わば「てにおはチェック」をするようなかたちで、その後、安全審査会でいわゆる蒼々たる先生方が並ぶ訳ですが、そこできっちりとした解析をしたバックチェックをする訳でなく、えその場で見た分厚い文書のやはり「てにおはチェック」と、そういうようなもので、しかも全体としては同じ原子力村の人達ですから、え例えば石橋先生が例外的にあのぉ耐震基準の委員に入られたときもですね、全く聞く耳持たずに押し切っていく訳ですね。ま、そういう体制でやって安全性が担保出来る訳が無いので、やはり安全規制の機関というのはあのぉ抜本的に見直す必要があるだろうというふうに思います。で、最後に書いてある「全リスクをカバーする無限責任の原子力損害賠償法」、え….これは..あのぉどういうことかと言うとこれも今回報道されていますが、原子力損害賠償法の原子炉一炉あたりのいわゆる保険金額が千二百億円だと、しかもそれが天災なので適用されないで免責だと……..。で、(それに対して)電力会社が暗黙のうちに無限責任を負う、そういう法体系ですが、えしかしそれで原子力電力会社がカバーしきれない場合には結局は国、すなわち国民の税金で補填することになる。で、これはですね、え元々はアメリカのプライス・アンダーソン法(1957年に原発事故の災害規模を米国は試算した結果、相当な被害の大きさになることが明らかになった。そのため、原発を推進する米国議会が原発事業者のリスクを軽減するために賠償責任の限度を示した法を制定した)から端を発しているいわば、あのぉ自動車で言うところの自賠責保険に相当するものですが、これは近年に入って無限責任にすべきだという議論が相当にありましてですね。で、あのぉ..地震保険と同じ、いわゆる金融工学を使うと保険料率というのが無限責任にしても、実は今は算出出来るんですね。で、フランスで一度計算をしたところ、フランスの電気料金が保険料金を上乗せすると三倍ぐらいになるという試算が出たことがあって、実際適用された例はないんですが、やっぱり、実際にそういう事故が起きた以上はですね、この原子力損害賠償法の保険料率に関しては、え天災に関しても免責無しで、しかも無限責任のカバー出来る保険料率に私は切り替えるべきだというふうに思います。まぁ、ただそれを引き受ける二次保険会社があるかどうかわかりませんけれども….それを前提としなければですね、筋が合わないというふうに思います。

4.原子力・エネルギー政策の転換戦略
で、え二枚目のところに書いてありますが、四点目、原子力・エネルギー政策の転換戦略ですね。で、これは、あのぉ原子力の新増設と核燃料サイクル事業、これは直ちに停止すべきであろうと….。ま、そもそも六ヶ所(六ヶ所村)と「もんじゅ」が全く無惨きわまりないかたちで全く無意味な事業でしかも全く無惨きわまりないかたちで止まっていますので、これは止めても全く差し支えないと。で、使用済核燃料に関しては中間貯蔵というですね、より安全で、より低コストな取りあえず、当面の回答がありますので、え使用済燃料のいわばこう溢れかえる部分については停止すべきだというふうに思います。で、そうするとですねえっとあ、これに関しては出口としては、あのぉ既存のエネルギー政策機関を全て改廃をして、新しいエネルギー政策機関として総合エネルギー委員会を内閣府の元に設けて、尚かつ環境エネルギー庁を設けるべきだというふうに本文では提案してありますが….
今日はパワーポイントがないので、映らないのであれですが…..お手元資料(※2「3.11後のエネルギー戦略ペーパーNo.1」)、もうひとつのですね、戦略ペーパーのナンバーワンで….12頁のところですね….の下の図を見て頂いて、原子力発電は漠然と三十パーセントあるというふうに思われているかもしれませんが、日本の原子力発電は相当老朽化が進んでいて、丁度今回、事故に遭った福島(福島第一原発)が、ま、丁度四十年、で、え….通常四十年で廃炉するというのが想定されている訳で、この先四十年で廃炉(する原子炉が次々と出てくる)日本の原子力発電所はそういう意味では、あのほとんどが高期高齢者の域に入っていってると

【日本の原子力発電所の行方(震災前後)※環境エネルギー政策研究所の推計による】

で、四十年で廃炉していくとなるとですね、一番上のカーブこの福島の事故が起きる以前でいうとですね、ま、こんな感じの実は長期的にはというか相当にこれから急速に原子力の設備容量は下がっていく、そういう段階に入っています。で、しかも今回の地震が起きた後は真ん中のカーブですね。これは福島第一、第二、女川、柏崎刈羽、浜岡、えあと東通(東北電力、東京電力東通原子力発電所、青森県東通村)ですねいわゆるこのB…BWRタイプ(日本の原子炉は主に軽水炉で、間接サイクルの加圧水型(PWR)と直接タービンを回す沸騰水型(BWR)がある。軽水炉は普通の水を使う原子炉のことで、これ以外に原子炉には重水炉や黒鉛炉等がある)で、なおかつ地震のリスクのある原子炉を直ちに止めて、あとは(それ以外の原発は)四十年寿命で活かした場合に真ん中のカーブになります。で、これで大体2020年で1千7百万キロワットで、電力量にして十パーセントぐらいになります。….で、一番下これは脱原発派の人達の期待に応えて….2020年でゼロにすると、まぁ、三つのストーリーがあり得る訳ですがというか一番上のシナリオは実は無くなった訳です。真ん中のシナリオが実は今もう我々の立っている現実なんですね。ですから原子力はもう三十パーセントはカバーしてないですし、十年後には十パーセントに落ちるというのが新しい現実。新しい現実を前提にこれからのエネルギー政策を立てないといけない、ということですね。で、えその事が(「3.11後のエネルギー戦略ペーパーNo.2」の)五番目六番目に書いてあることでありましてですね。….….それからちょっとその四点目のところではあの….5、6にいく前にあと二点申し上げておかなければいけないのはあのぉ今回、この後少し説明しますが「計画停電」という名前の無計画停電に陥った幾つかの要因、もちろん原子力一極集中というのもありますが、もうひとつ西日本には電気が有り余っているのに百万キロワットしか送れないという、この閉鎖的な蛸壺的な電力市場、やはりこれをやっぱりこの機に見直す必要があるのではないかということで、そういう意味で今回、東京電力は一次国有化はおそらく避けられないというふうに私自身は考えておりますので、ま、それを合わせて独禁法の対象から電力を除いていくことと合わせて、電気事業法(昭和39.7.11)を改正し、送配電分離をした全国一帯の送電会社を確立すると
、いうことをこの際に、やはり検討すべきではないかというふうに思っています。で、しかもその送電会社は当然、東西が一体運用できる、しかもこれは東西だけではなくてこの東西は何となく50サイクルと60サイクルで分かれている…..そこが百万キロしかないという技術的な要因と皆さん思われているかもしれませんが、北海道と東北の間もわずかに60万キロワットしかない、東北と東京の間もわずかに5百万キロワットしかなくて西日本も…..要は電力会社は全て地域独占であるが故にあのぉ..彼らは国民の電気料金を費やして言わば鎖国的な電力市場を形成してきた訳ですね。それが極めて今となっては不都合である。で、さらに加えて電力会社が送電線を独占していたが故に、しかも電力会社が自然エネルギーを排除してきたが故に、日本は自然エネルギーの普及において著しく立ち後れてしまった。で、その二つのことを….あのぉ改善する….いわゆる送電会社でないといけないと、いうことで、これから送電線の集中投資というのは極めて必要でで、なおかつ、それは自然エネルギー、再生可能エネルギーを爆発的に普及させるためのインフラ投資でないといけない。で、既にアメリカでもヨーロッパでも皆さん、スマートグリッドって言葉はもうある種の流行言葉ですが、もうひとつスーパーグリッドっていうのは、まだ日本ではあまり知られていないヨーロッパもアメリカもスーパーグリッドを集中投資するんですね。それは主には高圧直流送電線で、いわば自然エネルギーの集中地帯と幹線を結んでいく….いわゆる交流ではなくて直流送電線をつくっていくというような構想があります。日本でも是非それをやっていくべきではないかというふうに思っています。で、それともうひとつその四点目の最後に掲げて六点目に書かれているのは、原発国民投票をしてはどうか、ということですね。スウェーデンでは1980年、あるいはあのぉ..オーストリア、イタリア、あるいは日本では巻、巻町の原発国民投票(新潟県西蒲原郡巻町に東北電力が巻原子力発電所を設置計画していた。推進派町長が1995年リコールにより辞職。原発建設の是非を問う自主管理投票で反対派が圧勝。推進派町議らが訴訟等を起こしたが、最高裁上告不受理となり、2004年原子炉設置許可申請が取り下げられた。)ありましたけれども、え….国民投票ぁ、巻町は町民投票ですが、国民投票の意味合いというのは白か黒かの決着を付けるというよりもあの、スウェーデンでも一年間ありましたが、あの、自分が政策の当事者として当事者感覚をもって一年間なら一年間、その問題を徹底的に考え抜くということに、言わば国民教育的な意味にもの凄く意味合いがあるというふうに思いますのでで、中には一部脱原発派の方にはまたマスメディアがプロパガンダに乗っけて、また負けるんではないかと心配する人もいるんですが、私自身は勝ち負けというよりも一年間徹底的に原子力と環境とエネルギーと、そして日本の未来を考え抜く、いわばそのツールとして国民投票をやっていくというのは私は凄く意味があるんではないかというふうに思います。で、えぁ、時間がかなり来てしまったので、あと二つですね。

5.緊急エネルギー投資戦略
で、五点目は緊急エネルギー投資戦略ということで、特に東日本の復興を中心にこの自然エネルギーを充てていくことにはもの凄い意味があると思います。で、ひとつには自然エネルギーは大規模発電所に比べて極めて短期的に投資が出来るということですね。あのぉま、今日の日経でしたっけ、朝日でしたかあのぉ….火力発電を環境アセス無しでつくるという、禁じ手というか、火事場泥棒的なやり方が出ていましたが、おっきな発電所しか、大会社しか儲からないですね、しかも時間がかかると。しかし、風力発電、太陽光風力発電は結構大会社なんですがでもこれの建設工事とかですね….そういったものは非常に小規模な小さなそれこそ太陽光発電であれば、町工場でも出来ますし….町工場っていうか、町の工務店とか、電気屋さんですね、でしかも、それを地域のマネーをしっかりとまわしていくかたちで、え元々地域金融は預貸率が非常に低いので地域の投資先がない訳ですね。それを自然エネルギーの投資先ということで、これを例えば今の信用保証協会を活用して地域のエネルギー事業には信用保証協会
の保証をつけるので地域金融のお金を回しなさいというと、数兆円、数十兆単位のお金を動かすことが出来るという訳ですね。で、これを地域の設備投資、つまり自然エネルギー投資に使っていくことによって甚大なる甚大なるというか、地域の経済と雇用と、そして金融の投資に非常にこう..プラスのメリットがあると、これをやっていくっていうのが、短期的にはですね非常に...短期的には投資戦略、経済戦略としても活用出来て….

6.段階的な原発縮小と整合する気候変動・低酸素社会戦略
長期的には戦略ペーパー(会見配布資料1「3.11後のエネルギー戦略ペーパーNo.1」)の一枚目に提案してますような、えと一枚目と言うか二頁目かな2010年で、今、自然エネルギー、って電力が10パーセント程度なんですが、

【中長期的な電力シフトイメージ 40廃炉ケース(左)と廃炉加速ケース(右)】
水力8パーセントの、え地熱と黒液(木材パルプ生産工程で化学分解した際に発生する褐色の液体)を使ったバイオマス発電、大体合計2パーセント、(水力と合わせて)合計10パーセントぐらいですかこれをドイツと同じペースで増やそうとすれば、2020年までに20ポイント増の30パーセントすることが私は不可能ではないと(思っています)。で、ポテンシャルからみて全く不可能ではないので、えそういう大胆な投資をしていくと、このエネルギーコストとエネルギーリスクを回避出来、なおかつ温暖化はですね、京都議定書から免除してもらおうとか、そんな話がチラチラ出てますが、えその後の中期目標も含めてですね、しっかりと達成していける。ま、そういう方向性が私はちゃんと出来ると思っています。で、長期的には将に2020年で30パーセント、2050年で100パーセント、そしてこれは同時に総量削減型のエネルギー、エネルギー効率化と合わせて大胆なエネルギーシフトを図っていくべきではないかというふうに思っています。で、え….もうちょっと時間が来しまったんですが、飛ばしてしまった無計画停電については….あのぉ最初のペーパーに詳しく書いてありますが、これは需給調整契約を大きく4つに分けてですね、え大体不足部分の見込みは東京電力と我々(環境エネルギー政策研究所)、ほとんど一緒なんですが、需給調整契約は合計あのぉ今ある3百万キロワットしかないんですが、それを2千キロワットを超える需要家に対して全て政府が、電気事業法27条を活用して全てこれを,,,.
契約を締結しなさいと。で、ということで、それで今例えば、経団連が言っている25パーセント削減すれば、2千キロワット超でですね、3千件の需要家があるんですが、それで約2千万キロワットの電力を夏は使えます。25パーセントの節減を一律すれば、5百万キロワット。40パーセント仮に節減すれば8百万キロワット。ま、中にはライフラインの大病院であるとか、鉄道、それは除外するとしても、かなりのところを深堀できると思いますし、あと50から2千キロワットはピーク料金….これも電気事業法27条を活用して、ピーク料金を設けて押し下げると。で、家庭から50キロワット未満はこれはアンペアを落としてこれはアンペアメーターを取り替えるだけで簡単にできますので、これもピークの引き下げをしていくと、いうような具体的な措置をとることによって、今のように市民生活も、そして産業経済もですね、あるいはライフラインもズタズタにする無計画停電をやらずに乗り越えられると、我々としては評価しています。ちょっと長引きましたけど、大体駆け足で本日申し上げたいことを述べました。どうもありがとうございました。

司会)
飯田さんありがとうございました。福島原発の現状のご指摘から、様々な具体的な提言まで頂きました。それでは質疑に入りたいと思います。(省略)
  
(文書化および括弧内の説明補足:田賀陽介・環境再生医)2011.4.7
※ニュアンスを伝えるため、極力音声内容をそのまま文字化したが、一部テキスト化上理解し難い部分は、音声内容から、若干の修正をおこなった。また、以下の質疑については、ある程度質疑の内容に集約して文字化している。文中図は会見配布資料から転載。)

質問1)朝日新聞と雑誌のアエラというところにいます山田と申します。先ほど石棺化の話が出ましたけれども、やはり出口戦略としては石棺化が避けられないと思いますか?今、燃料棒を取り出そうという話が色々あるようですが、それは可能でしょうか、現実的でしょうか?その辺はいかがでしょうか?

飯田)はい、あのぉ….これは将に….とですね、世界の原子力の事故処理も出来るエキスパートが、現地をモニタリングしないと、実際のところ出てこないというふうに思いますので、私自身はまだ感想レベルでしか過ぎないんですが、え….使用済燃料取り出しはですね、まずほとんどがメルトダウンしているということを前提にすると、ほとんど不可能ではないかというふうに思っています。あのスリーマイルですらですね、十年後にようやく炉を開けることが出来たということなので、今この現状で、そこにアクセスをして使用済燃料を開けるような作業が、そのロボットを使って出来るとは私は全く思えないです。で、一方でこの水で閉じ込める方も、先ほど申し上げたようにほとんど不可能に近い作業で、悪戯に被爆線量を増やし、なおかつ放射能汚染した水を海洋、地下水および土壌汚染を拡げていくだけですので、やはりその何らかの石棺化錫(すず)を使うとか、砂まじりのスラリー(固体粒子を液体に入れた泥状になった流動体のこと、この説明では砂を固体粒子としている)とか、色んな案が出始めているらしいのですけれども、それに特化することが出口としての最短ではないかと予測をしています。はい。


質問2)個人の会員のハギタニと申します。えですね、今の山田さんの質問にも関連するんですが、今現在災害の問題はですね、石棺化をする場合に、まず今おっしゃったスラリーとかそういう問題工法の問題がありますよね。それプラス工事の問題があります。つまり世の中の反原発派の方達は直ちに廃炉石棺ということを言っている訳ですけれども、現実に今、飯田さんがおっしゃったような方法を採るならば、現在核燃料が崩壊をし続けている段階でも、別の方法で、コンクリート以外の方法で石棺化する工事とは可能なんでしょうか、もし可能であるとするならば何時頃からそれが出来るようになるのか、それは時間の問題ではなくて、どういう炉の段階でできるようになるのか、ちょっと教えて頂きたいとおもいます。

飯田)石棺化そのものをきちっと研究している訳ではないので、まぁ、全体をマクロの状況からそれしか出口がないと、判断しているので、それが本当に現実か、現実的かどうかと確信を持って判断出来る立場にはないんですね。で、それを前提にあくまで憶測でものを申し上げるとですね、石棺化が最もあり得るだろうと思うのは….要は先ほどの取り出しもほとんど不可能に近く、その水での閉じ込めというのは精密な工事がいるので、ロボットでは無理だろうと、ただ石棺化であればロボットで出来る可能性があるので、特に人が近づけないので、ですね、ロボットで出来る唯一の方法として石棺化があり得るだろうというふうにこれはあくまで私の憶測ですけれどね。で、何時から出来るか全く分かりませんが、崩壊熱はもうそんなに変わらないので、だらだら落ちていくんですが、どこまで落ちたら出来て、何処まで落ちないと出来ないというよりも、この石棺化であれば出来るのではないかという、確実性の高いものをモックアップなりまず机上検討、そしてモックアップをトライアウト、幾つか平行してやりながら、そして方法論がある程度確立されたところで、できる。それがどの程度のタイムスパンで出来るか分かりませんけれども、それこそそれに細野さん(首相補佐官)が言うところの数ヶ月、数ヶ月で出来ればまだラッキーではないか、というふうに思っている。はい。


質問3)個人会員のホアシと申します。頂いたですね、資料を全部読んでいないので、或は触れておられるかもしれないのですが、このとくに今日のテーマの3.11後の原子力、エネルギー政策の方向性、という中でですね、原子力委員会について、ちょっと僕もざっと見た中では、言及がないみたいなんですが、この福島事故との関連でですね、飯田さんは原子力委員会はどのように位置づけ、認識しておられるのか、を教えて頂きたいと思うんです。というのは、僕は原子力委員会こそ今回の事故の発信源だというふうに認識していたものですから、事故後ですね、原子力委員会がどんなメッセージを出すのかというのをテレビとか、新聞でですねずぅっとフォローしていたのですが、一向にそういうことが出てこなかったのですね、そうしたら昨日(0211.4.4)初めて事故後、委員会を開催したと聞いて唖然としたんですけれども、そんな事も含めて、ご見解、認識を伺わせてください。

飯田)はい、まずあのぉ事実として原子力委員会は本件には、まず一切タッチをしていないですね。で、唯一、近藤委員長(元東京大学大学院工学系研究科教授、東京大学名誉教授、2004年より源力委員会委員長)が、原子力委員会委員長の立場ではなく、専門家として協力しておられるというふうに私は聞いています。3.11後、事実は確認していませんが、当日だったか翌週14日だったか、定例会議を開いておりますね。今件と全く無関係にで、原子力委員会が何故そういう状況なのか、実際私は関係者に聞いた話ですが、本件に全くタッチしていないし、タッチ出来ない….(ということのようだ)。で、これはまず原子力村というところのですね構造的な問題で、原子力委員会と原子力安全委員会は建前としては、この日本の国の原子力政策全般の方向性を定めるのが原子力委員会であり、その安全の総本山が原子力安全委員会だというのは、あくまで建前であって、元々旧科学技術庁が、原子力委員会と安全委員会の事務局を努めていた関係で、日本のなかで大きく、原子力村の中にある大きく二つのグループ、経産省電力グループと旧科学技術庁と旧動燃(動力炉核燃料開発事業団)、原研(日本原子力研究所、現日本原子力開発機構)このグループで分けると、原子力委員会は旧科学技術庁グループ(文科省)に属するんですね。ですから、JCOの事故のときは、旧動燃マターでしたので、原子力安全委員会が出て行って、当時の副委員長だったかな….が陣頭指揮を執られたわけですが、今回は東電の事故なので、原子力安全保安院が渋々出ていると、そういう役割分担になっている、実は原子力安全委員会のことをいいましたが、原子力委員会も今回はほとんどタッチしていなかったんですが、SPEEDI(スピーディ、原子力安全委員会の緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の話がでてきたので、スピーディの接点から原子力安全委員会が出て来たという経緯だと私は認識しています。で、このペーパーの中で原子力委員会については「3.11後のエネルギー戦略ペーパーNo.2」の7頁目に4.原子力エネルギー政策の転換戦略の②、環境視点で開かれた政策機関の新設と、そのなかで既存の原子力エネルギー政策行政機関(原子力委員会)ということで、ここで唯一出していまして….あのぉ、例えばドイツでは原子力委員会なるものは無いんですね、原子力安全委員会しか無いんです。しかも、既存の原子力委員会というのはエネルギー政策に一切タッチしていないので、既に原子力委員会というのは、もう日本にとってはあまり意味のない、いわば盲腸のような存在になっているので、私はここはもう全て統廃合して、いわゆる総合エネルギー委員会的なものに、戦略会議的なものにですね、統廃合すべき時が来ているだろうというふうに思います。


質問4)ロイター通信、前田と言います。送電線の強化とか、あと東西の周波数の違いをていう問題は前からずっと気になっていたんですけれども、そのためには多分かなり兆円単位のお金が必要かと思うんですが、その見通しをどのようにみてらっしゃるのかと、それが例えば電気料金として跳ね返ってくることに国民として、理解を得るために何が必要かとお考えか教えてください。

飯田)はい、えと、まず、そのどの程度お金がかかるかと、これからの設備投資次第というふうに思いますけれども、あのぉ、え全体としては大原則はいわゆる電力のユーザーが大分に負担するかたちになると思います。ですから、送電線の言わば利用料金というかたちで送電会社が電力を売る最終的にはユーザー負担というかたちになってくるんじゃないかと思います。ただ、数兆円単位に仮にかかるとしても、それが経産省が元々再生可能エネルギーで云々ということで、かなり多めに見積もって、それでも数兆円で、それが十年単位ですので、それを全ての電力量で割れば、そんなに大きな負担では私はないというふうに思います。で、え後なんでしたっけ、あ、東西の周波数の話をついでに合わせて言うと、えっともうひとつの議論として、というかさらに追加の議論として、東西の周波数をこの際合わせたら良いんじゃないか、という議論も、まぁあって、で、その時に全面的にその発電所と、ユーザー側の機器の転換になるかというと、まぁここはこの後検討が詳細検討が必要になるんですが、実は以外とそんなにコストは掛からないではないかという予測があって、え例えば家庭においては今、周波数が変わっても、さらに海外に持っていってもですね、困る機器ってほとんどないんですね。日本だと東京に居る人が大阪に引っ越しても、買い替える機器はほとんどゼロです。で、後は変電所単位で猫の目のようにですね、オセロをひっくり返すように、変電所単位で変電所の出力を50から60に切り替えていけば、実は以外と簡単に出来るんではないかと、そういう話もあって、それも今後の遡上に上がっていくんではないかと思います東西を一体化するっていうことですね。ただ、いずれにしても従来は電力会社、例えば北本連系(北海道・本州間連系設備の略称、北海道本州を結ぶ一連の電力供給設備)線という北海道と東北を繋ぐ送電線が片側30万キロワットで二本あって、で、これを太くする時に投資する人が誰もいなかったので、拡充することが出来なかったんですね。つまり、北海道電力は出来るだけ自分のところで自前でやりたいと東北も、東電も自前でやりたい、で、そうすると今あそこの送電線というのは電源開発(ジェー・パワー)がもってるんですが、そこを活発に使ってもらえないと料金を徴収して投資回収出来ないわけですけれども、今のような鎖国的な地域独占が続いていたらですね、投資しても間を繋ぐところのお金を払う人が誰もいないので、設備投資の意欲がわかない。で、これを全国、横串のいわゆる送電会社にして、しかも北海道にこれから風力発電を大量につくるんだというと、そこに設備投資をして、その投資回収をちゃんと料金で回収出来る、というかたちになればですね、まさに自然エネルギーを普及させていく多大なるメリットがあります。で、その普及が進めば日本は化石燃料を大幅に減らすことが出来ますので、その多大なるメリットは電気料金を実は押し下げる、それ我々はそういう試算をしてますので、あの、ま、五十年単位ですけれども、ま、その長期的な視点に立てば送電線の投資も全体としては電気料金が安くなる効果で十分相殺出来ると思っています。はい。

質問5)毎日新聞の□□□□と申します。二つ質問がしたいんですけれども、ひとつはですね、おっしゃったようにですね世界最悪のメルトダウンになった可能性が強いと何故これが防げなかったかという観点でお聞きしたいんですね先ほど後手後手にまわったと、リーダーシップの混乱があったと、そういうお話だったとおもうんですが、じゃぁ、どうすれば防げたかという観点から….まだちょっと早いかもしれませんけれども、今ある知見の中でですね、先生のお見立てがあれば是非お聞きしたい、その場合ですね最初の二十四時間が勝負だったという私は気がするんですが、その時に手段としては、ベントという手段と、それから海水を入れるという手段と、このタイミングについて色々議論がありますから、このことについてどう考えているかというのが、まずひとつです。それからもうひとつはですね、先ほどちょっとお聞きしているとですね、使用済核燃料のですね、中間貯蔵施設の方については、監理設計に携わられて、こちらの方は何となく安全だというイメージを受けたんですが……今回、4号機それぞれにある燃料プールのお話なのか…..こちらの方は原子炉のメルトダウンした核燃料に比べると今後どういうことを注意しなければいけないのか、安全なのか教えてください。

飯田)はい、え、どう知れば防げたか、そこのリアルタイムの話は、今週号のアエラでしたっけ、最新のアエラに、武藤副社長を交えたドキュメントドラマが緻密に書かれていて、非常にあれは迫真に迫っていたかな、というふうに拝読したんですけれども、あれは海水注入の判断が遅れたと言うドキュメンタリーだと思うんですが、それともうひとつ電源車が間に合ったんだけれどもケーブルが届かず、しかもプラグが合わない、という話があったと思うんですが、一番もし予防的に防げたとすれば、いつ誰が思いついたのか、外部電源復旧という、復旧への判断、そこに全精力を投入して、バッテリーが稼働している間に、外部電源を引っ張ってくると….東北電力の系統からですね、最悪の場合、送電線を引かずとも、兎に角送電線を引っ張ってくるようなですね、その判断が誰も思いつかなかったのか、外部電源車で足りると思ったのか、そこのところの判断のミスが一番予防的に防げた方法だったんではないかと、まず第一には思いますね。しかもあと、電源車がケーブルが届かず、プラグが合わないというのは、お粗末以前でですね、そういう意味でいうと、さらに遡ると、幾つか証言も出ていますが、全電源喪失などとというのは想定していなかった、で、私自身も使用済燃料キャスク(使用済燃料の輸送容器。内容によって技術基準があり、大枠、放射能の弱い順からL型、IP型、A型、B型に分かれる)の安全評価をしていた時に、やはりイベントツリー(イベントツリー解析。起因事象に対して安全対策を段階的に講じる組合せ解析法)とか、フォールトツリー(イベントツリーで設定した対策等の成功失敗率を解析する手法)とかをやる訳ですよね、その時に全電源喪失という(トップイベントの想定が)イベントツリーも、フォールとツリーもないんです。最後はディーゼル発電機が持つんだと、で、そのシナリオがちゃんとあって、で、じゃぁ、その電源車が絶えず待機していて、しかも予防、歩行演習でも行われているようなことがあればですね、そこでも追いつけただろうと、で、後そこから先の海水注入のそこから先は何処で止められたのか、判断に苦しむところがあってですね…..というか….そうですねぇもうちょっとさらに海水とベントは私はある意味全く関係ないとは思うんですが、我々も内部で色々議論している中で、地震で一次冷却水のある部分が破断してたんではないかという予測もあるんですね、つまり….あのぉ冷却水があれだけ失われて、その熱によって、格納容器、圧力容器の破損破断、漏洩が生じる以前に、問題があったのではないかということもありますので、そうするともっと遡って、そもそも耐震設計、とりわけ少なくとも柏崎刈羽(2007.7.16新潟県中越沖地震で被災した際の火災等の事故)が起きた後のちょうどあの頃に耐震基準を見直していた訳ですが….あれを即座に反応して、もっと厳しい耐震基準を厳密にバックチェックさせていればですね、もちろん予防的に防げていただろうと、どんどん遡らざるおえないので、もちろん最初の二十四時間に色んなものがあったのかもしれませんけども、そこで万全の手を打っても防げなかったということも….これは事故調査委員会でしっかりやらないと見えてこないところがあるんですが、そういった幾つかの要因があるように思います。ま、ちょっとそれ以上のことは私自身、データも知識も、まだ誰にも分からないところがあると思います。で、使用済燃料のプールもこれは私もこれはまた別の要因がありますので、あちらは圧力容器も格納容器もなく使用済燃料が、特に4号機、3号機はおそらくむき出しになっているんですねある部分は。使用済燃料というのは、それこそ百年経ってもむき出しに人間が向き合うと即死するレベルの放射線がでますから、これは非常に厄介だなぁと思ってます。そこはしかもプールがどうも破損をしていると、3号機も4号機も、というふうに見られていますので、水を入れてもどんどん垂れ流しの状態、あそここそ正に石棺化のような手段をとらざるおえない、だろうというふうに思います。あのプールを補修することが可能なのか、石棺化が現実的なのか、そこも早急に解明、というか判断をしてですね、もっと出来うる限りのデータを得ながら、より素早く閉じ込め機能が回復出来る方策を選択していかなければいけない、というふうに思います。


質問6)個人会員の□□□□と申します。石棺化についてですね、これが石棺化が成功すれば、取りあえずは兎に角安心出来るという、訳なんでしょうけれども、それに至までは、先ほどご説明以上のさらに色んな条件が必要だと思うんですね、それについてもう少し教えて頂きたいのと、それから、それまでどういう推移を辿るのか、当面の、ようするに炉心の、炉心溶融も、使用済核燃料も、再溶融ですか….こういうようなもっともっと酷いことにならないのかと、もうこれでじわじわじわじわと治まっていくのかと、言うことについて、もう少し教えて頂きたいんですが。

飯田)はい、あのぉ….けして再臨界のリスクが私は消えたとは思えませんし、その際臨界が起きようと起きまいと、より悲惨な炉心溶融が起きて、それがまたさらに水蒸気爆発で、著しい放射能、さらに核分裂生成物、場合によってはより高温化することによって、ストロンチウム、プルトニウムといったより毒性の高い放射能が、より大量に出てくるシナリオはゼロではないというふうに思いますので、それはまぁ、あのぉどういう偶然か、取りあえず今の海水注入で、ある種の良くもなく悪くもない拮抗均衡状態が今のところ維持されてるだろうと、ただしそれは、その犠牲として作業員の被曝と今海水に出始めた放射能とですね、さらにはある部分大気を通して、どうしても、(建物や地面に)ホールアウトか、東京を含めて漂っているってことは、だらだらと続いているということは、今現状なんだろうというふうに思います。ですから、そこはここから先は私自身そんなに知恵を持っている訳ではないので実は来週、ヨーロッパで幾つかの原子力関係の機関もちょっと訪問する予定なんですけれども、政府の方も、DOENRCが入って田坂さん(田坂広志。多摩大学大学院教授、原子力工学)が内閣参与に入られたということはバッテル(バッテル記念研究所。米国の世界最大級の独立系研究機関)が本格的に協力しはじめたと私は理解していますので、その、おそらく日本の原子力の研究者、研究機関ではもう完全に手に負えないレベルになっていると私は思います。スティーブン・チューもそのようなことを言っていて、炉心溶融がどのような状態で、どうなっているかの解析コードセーフティーコードと彼らは言っているものも、日本は持っていない訳ですね。そういったものも頼らなきゃいけない。….で、そこからのソリューション(解決)もハンフォード(米国のワシントン州にあるハンフォード原子力地区。最長30キロメートル程度のエリアを有する核廃棄物汚染区域。元々マンハッタン計画でプルトニウムの精製が行われたプルトニウム製造施設集合体区域。1989年からDOEの管理により核汚染の処理行われ、今後の数十年間、年間10億ドルの支出見込みで除染が現在も継続されているが、年々予算は減らされているという。)とかが、結構、炉心解体とか色んなものの取り扱いに慣れているとかですね、将にその世界の本当に生きた知恵をもった科学と研究者を集めながらやっていくしか無いんじゃないかと言うふうに思います。で、それは兎に角最悪の事態を避け、つまりこれ以上の悪化を避け、作業員の被曝を最小に抑え、トータルとしての放射能の放出を最小限にするための、そして、確実な閉じ込めが達成出来る手段というものをですね、あらゆる方策をこれから研究、追求しないといけないんじゃないかと思いましてですね、今私がその答えを持っていたらまだ良いんですが、その答えは全く私も分かりません。はい。


質問7)ロイターの浜野と申します。よろしくお願いします。ペーパーのナンバーワンの14頁にあります自然エネルギー拡大目標の検討の表なんですけれども、これキロワットアワーでいうとどれぐらいになるのかって言うのを教えてください。この15頁にそれらしき表があるのですが、デジタルの数字で見難いので、数字があったら教えてください。あとここに出ている以外のですね、再生可能エネルギー以外に、何か有効なものがあるというふうにですね、飯田さんのスコープに入っているものがあったら教えてください。以上です。

飯田)2020年の方の数字で良いですか?….ちょっと待ってくださいね….データを開く間に、自然エネルギー以外のスコープというのは、エネルギー種類として、自然エネルギー以外天然ガスとか….あ、わかりました…..2020年でキロワットアワー単位で申し上げると、水力が1千3百23億キロワットアワー、ま、約1千3百億キロワットアワーですね、地熱が2百40億キロワットアワー、バイオマスが3百20億キロワットアワー、太陽光が7百50億キロワットアワーで、風力が5百30億キロワットアワーぐらいです。で、2050年で水力はもうそんなに上げシロが無いので1千4百70億キロワットアワー、地熱が8百60億キロワットアワー、地熱は開発経費が掛かると思ったので2020年は控え気味で2050年に多く積んであると、バイオマスが、バイオマスもそんなに増やせないんですが、約6百億キロワットアワーで、太陽光は1千5百億キロワットアワー、風力が8百80億キロワットアワーぐらいのバランスにしてあります。ここは、どうなるかはアレなのでポテンシャルいわゆる日本に導入可能な….環境省でかなり今、精緻なポテンシャルがでているので、それをベースに十分可能なポテンシャリティから一応算出をしています。で、他の自然エネルギー以外のエネルギーというお話ですが、実は2050年というタイムスパンで言うと、今まだ実用化に入っていない波力であるとか潮力であるとかですね、そういったものも入ってくる可能性派あると思います。それは、もうちょっと時間が解決するものですが、今数字を積むにはあまりにも充てにならないので、ま、ほおってあると。で場合によっては、その日本だけでこれを見ていますが、この時には、ま、北はサハリンからですね、あるいは朝鮮半島とも送電線が繋がってるっていうことは、無きにしもあらず、というふうに思いますので、そうするとエネルギーバランスも相当変わってくる可能性はある、ということは一応前提の上で、現状、日本だけ閉じこもって、現在実用化されている技術だけみても、これだけのことが可能ではないかという、ある種の予測になっているということです。

司会)はい、それでは、もう時間も過ぎましたので、すいません最後に私のほうから、一問だけと言いますかあのぅ昨日のニュースでですね、環境省の事務次官が、原子力のこういう問題があったということで、2020年ですかの25パーセントの削減を見直さざるおえない状況…..ニュアンスはちょっとわかりにくいんですけれども…..見直さないといけないかもしれないということをですね、話をしたんですが、これを何故、環境省の事務次官が言い出したのか、あるいは、え….飯田さんから見てどういうふうにその考え方がどう…..今日のお話は、そうではなくて自然エネルギーで出来るんだということだったと思うんですが…..その辺りのことを非常に….今後の原子力の問題から….引き続く問題とは思うので、その辺のコメントを頂きたいと思います。

飯田)はい、事務次官はおっしゃったんですけれども、大臣はおっしゃってないと思うので、あくまで一……(司会:そう….何故、環境省の事務次官が言い出したのか?というのが私にはちょっと……
それは、私もちょっと分からないんですが、環境省の中長期ロードマップというのをこれまでやっている中で、え….環境省の中長期ロードマップは、経産省のエネルギー基本計画とはかなり絵柄は違うんだけれども、一応原子力は国が立てた目標を前提としていたので、それが全く成立しなくなったので、慌てておっしゃったんじゃないかと思いますけれども、もともと私、その環境省の中長期ロードマップでも、中環審(中央環境審議会)でも、原子力というのは今後著しく減る可能性があるので、ちゃんとコンティンジェンシープラン(発生予測されるリスクに対して、リスク発生の際、復旧、継続についての対応方針要領をあらかじめ定める計画)と、つまりプランBとして、原子力が大幅に減ったとしても中長期目標が達成出来る、もちろん京都議定書を含めて達成出来る、そういうシナリオと政策をつくらないとダメだというのは、私は絶えず口を酸っぱく言ってきたので、慌ててそういうのを言われるよりは、今回のことを前提に改めて、日本の温暖化戦略を考えていかなきゃいけないという方向性に是非なって頂きたいと私としては思ていますが、まぁ、今の事務次官がどういう理由でおっしゃったのか、私はよくわかりません。

司会)はい、今日は飯田さんにですね、日本の原発の問題、今後のエネルギー政策について伺いました。非常にためになったと思いますし….あのひとつ私が思ったのは日本の原子力専門家というのがですねこれまでやはりその….最悪の事態を考えないで来ている。考えないまま来てその結果、そういうことの研究もしていない、結果、こういう事態が起きた時に、むしろ海外のそういうことを研究している世界の知恵を集めないといけない。日本で手に負えないという現状になったこと自体もですね、日本の安全神話というものをことを言ってきたツケがここにきているんではないかと、今日のお話を伺って、ま、感じたところであります。今後やはり日本が、原子力政策、エネルギー政策をそれぞれ根本から見直していかなければならないということが、今日分かったと思います。今日はどうも、本当にありがとうございました。

参照先
環境エネルギー政策研究所 http://www.isep.or.jp/
日本記者クラブ http://www.jnpc.or.jp/

(文書化および括弧内の説明補足:田賀陽介・環境再生医http://landschaft-and-design.blogspot.com/
2011.04.07文書化









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