2010年5月23日日曜日

業務事例10:DNP箱根創発の杜 緑地計画

大日本印刷株式会社研修施設におけるランドスケープ計画

当該計画地は、箱根内輪山中腹に位置する国立公園内にあり、元々放置生産林であった区域を研修施設として計画されたものである。開発にあたって、周囲の自然環境に配慮し、開発前の放置生産林から地域的自然林への転換を図り、開発により自然度を低減させるのでなく、積極的に自然度を回復し、企業の環境への取組を具現化出来るような計画とした。


箱根町は外輪山に囲まれ、雲溜まりとなって年間を通して雨量が多く多湿である。霧に覆われることも多く、日照時間が少ない。

芦ノ湖(ギスリ・エリンソン撮影)

計画地周辺の山腹(ギスリ・エリンソン撮影)


地域の環境を考慮し、計画地内の物質のみで緑地の修景をおこない、自然回復と研修施設利用の良好な外部環境を形成する計画を行っている。







自然修景による雨水系(ギスリ・エリンソン撮影)

計画地内で保持された樹木および草本類を再配置した修景
(ギスリ・エリンソン撮影)


計画地内で光環境を整えるために間伐された材を利用して管理路を修景
(ギスリ・エリンソン撮影)


地被類回復期間の土壌流亡を防ぐためのソダ工と石積工


施設導入部の煉瓦舗装は微妙な地形勾配を利用した煉瓦パターンとして排水計画と意匠性
を融合した計画とした。建築施設設計:デネフェス、施工:清水建設、東京ブリック社。
(ギスリ・エリンソン撮影)



雪景色のソダ柵工



雪景色の煉瓦舗装の遊歩路(照明計画:ぼんぼり光環境計画)

また、機能的な動線に対しては煉瓦舗装とし周囲の景観との視覚的な調和も試み、環境へのインパクトの低減を図りながら、自然度を極力維持出来る構造の修景計画を行っている。
(追記:この計画は昨年2010年にAACA芦原義信賞を頂きました。)