2010年11月10日水曜日

山菜採りの事故・ギボウシとバイケイソウ

ニュース(2005年5月6日)で山菜採りの事故のニュースがあった。
山へ山菜採りに出かけ、帰りに焼肉屋へ立ち寄り、そこで採ってきたオオバギボウシを焼いて食べて中毒になり亡くなったそうだ。どうやらそれはオオバギボウシではなかったらしい。

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確かにオオバギボウシとバイケイソウの葉の感じはよく似ている。特に今頃の若葉の頃は特に見分けるのが難しいかもしれない。

写真左はオオバギボウシで、写真右はバイケイソウだ。ちがいはギボウシ類には葉柄があり、バイケイソウ類には柄がない。だから若葉の頃は葉柄が未熟で見分けにくいわけだが、成長してくるとオオバギボウシやギボウシは葉柄が伸びでくるのですぐにそれとわかる。

どちらも湿気のある冷涼な場所に生えていて生息地も似ているので、間違えやすいということもあるようだが、バイケイソウの方がやや高所で冷涼なところで見かけるように思う。(似たものでコバイケイソウという毒草もあるがこれは完全に高所に分布するらしい。それを僕は見たことがない。)それに比べてオオバギボウシはあまり日当たりの良過ぎない湿りけのある土地であれば然程冷々としたところでなくてもまぁみかける。それにギボウシの仲間は品種改良されて庭園芸としても利用されているので、バイケイソウより分布域には幅があると思う。だから冷涼な湿度のある山谷が生活圏の近くにある中部地方や東北方面では分布域が近しいので見誤ってしまう事故もあるかとも思うが、西の地方ではあまりそういう間違いはなさそうな気がする。

それにしても焼肉屋で焼いて食べたというが、若葉を焼いて食べたのだろうか?若葉も美味しいらしいが、食べたことはない。葉柄があるかないかで、毒か毒でないかわかるのだから、とにかく葉柄のないものは食べないのが安全だ。

山菜採りは楽しいが、食用できるものと毒になるもので、見た目が似ている種類があったりするので気をつけなければいけない。そして大体山菜採りは毎年あそこにはあれがあって、こっちにはこれがあってと当たりをつけていくように、つまり知った山で採るようにしたほうがよい。

それでは食べる方のオオバギボウシというと・・・・・。葉柄の部分を湯がいて水にさらし、マヨネーズをつけて食べる。少しぬめりがあって美味しい。僕はこれを岐阜の古川という町に暮らす塚本さんのお宅ではじめていただいた。癖のない甘みとぬめりと歯触りでとても美味しくいただいた。翌日には、チシマザサを採りに行きその場で新鮮なものを食べさせてもらい、とても楽しい山菜の時を過ごさせていただいたのである。

採り過ぎれば環境破壊になる、知らなければ事故になる。山のことを大切にする、大切にするためには山のことを理解する。そうすれば自ずと美味しいものを山が教えてくれるのだと思って心しよう。

写真左:オオバギボウシ(2002年高尾にて) 写真右:バイケイソウ(2003年丹沢にて)

2005.05.07記す

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