2010年4月20日火曜日

オオバコ

オオバコ(大葉子)
オオバコ科オオバコ属
日当りの良い道端などによく見られる多年草。
花期は4月から9月ぐらい。漢方では「車前草」、実を「車前子」といい、咳止めや視力回復に効用があるという。車前草とは車(俥、くるま)の通る轍(わだち)周辺によく見られるので、その様子から命名されたという。「湘南の森」のボランティアに参加している辺見さんはカエルッパと呼んでいた。幼い頃切り傷等に木の葉を揉んで患部にあてたとも言っていた。地域によってはケロッパ、ゲエロッパなどとも呼ばれる。

柳宗民氏の著書には「死んだカエルをこの葉で包むと生きかえるということからきたらしいが、これは一種のしゃれ言葉だろう。」と書かれている。子供の頃の私自身の印象から言えば、道の脇にカエルが現れ、その道や田んぼの畦の脇にはオオバコの生えていた。だから漠然と雨上がりの砂利道の轍(わだち)の水溜まりや畦とオオバコと雨蛙がセットになって想い起こされる。なんとなくオオバコの葉の形や色がカエルの頭や胴体と似ているような気もしていたから、そんなところから「カエルッパ」と呼ばれていたとするなら納得のいく命名なのだが、死んだカエルを葉で包んで生き返らせるほど慈悲深い人などそんなに多くいたのだろうか?柳氏もシャレと言っているが、どうなのであろう。



子供の頃の草遊びで最も印象に残っているのはこのオオバコの花茎で「すもう草」としての想い出が強い。丈夫そうな花茎を選んで摘み取り、相手の花茎とこちらの花茎を交差させて引っ張り合う、これを何回かの勝負で競う遊びだった。





(2009年9月6日、大菩薩嶺山麓付近にて撮影、田賀)

人に踏まれ俥に踏まれ、地から這い上がって立ち上がり、路上に延々と子孫を増やす。さりとて、オオバコは他の雑草と呼ばれるものに比べてどちらかといえば、うるさく、はびこるといった印象を私個人的には、あまり感じない。思いのほか品格というものがある気がする。と感じているのは僕だけだろうか......。(文責:田賀陽介)


参考文献:「柳宗民の雑草ノオト」柳宗民著、三品隆司画/毎日新聞社


2009.9.11の記事を2010.4.20に修正補筆

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